AI画像生成や動画制作の世界では、
「構図」や「カメラショットの理解」こそが作品の完成度を左右する重要な要素です。
同じ被写体を描いても、「どの距離から撮るか」「どんな角度で見せるか」
「カメラがどう動くか」によって、印象はまったく異なります。
たとえば、人物を正面から撮る“フロントショット”は親近感を与え、
下から見上げる“ローアングルショット”は力強さや威厳を演出します。
さらに、動画生成AIでは“ドリーイン”や“クレーンショット”など、
動きや時間変化を組み合わせることでドラマチックな演出も可能になります。

しかし、「どんなショットを使えばいいかわからない」
「英語でどう書けばAIに伝わるの?」と悩む方も多いはず。
本記事では、AI画像生成や動画制作に活用できる「カメラショット」を、
被写体との距離・カメラの角度・レンズ効果・動きの4つの視点からわかりやすく解説します。
目次
距離(被写体との距離)別ショット
| 日本語名 | 英語プロンプト例 | 説明 |
| エクストリーム・クローズアップ | extreme close-up | 目や口など被写体の一部だけを映す超接写。感情や緊張感を強調 |
| クローズアップ | close-up | 顔や小物などを強調 表情・感情を伝える構図 |
| ミディアム・クローズアップ | medium close-up | 胸から上 表情と少しの背景を両立 |
| ミドルショット | medium shot | 腰から上 人物と背景のバランスが取れる |
| ミディアム・ロングショット | medium long shot | 膝上まで映す 動きや姿勢を自然に描写 |
| ロングショット | long shot | 全身を映す 人物と背景の関係を描く |
| エクストリーム・ロングショット | extreme long shot | 被写体が小さく見える遠景 スケール感を演出 |
カメラの位置・角度
| 日本語名 | 英語プロンプト例 | 説明 |
|---|---|---|
| アイレベルショット | eye level shot | 視線と同じ高さ 自然で落ち着いた印象 |
| ハイアングルショット | high angle shot | 上から見下ろす 弱さ・劣勢を表現 |
| ローアングルショット | low angle shot | 下から見上げる 迫力・威厳を強調 |
| バードアイビュー | bird's-eye view | 真上から俯瞰 地図的な印象 |
| ワームズアイビュー | worm's-eye view | 地面に近い位置から 見上げる |
| オーバーショルダーショット | over the shoulder shot | 誰かの肩越しに対象を見る 会話シーンなど |
| サイドショット | side view | 横から被写体を撮る |
| フロントショット | front view | 正面から撮影 印象が強く、視線を引く |
| バックショット | back view | 後ろ姿 余韻やストーリー性 |
レンズ効果・画角表現
| 日本語名 | 英語プロンプト例 | 説明 |
|---|---|---|
| ワイドショット | wide shot | 広角で背景を広く入れる 開放感 |
| アルトラワイドショット | ultra wide shot | 超広角でパースを誇張 躍動感あり |
| テレフォトショット | telephoto shot | 背景を圧縮して 被写体を際立たせる |
| マクロショット | macro shot | 接写で細部を表現 質感描写に |
動きや視覚的効果
| 日本語名 | 英語プロンプト例 | 説明 |
|---|---|---|
| トラッキングショット | tracking shot | 被写体を追いながら撮影する |
| ドリーショット | dolly shot | カメラが前後に移動 立体感を演出 |
| パンショット | panning shot | 横方向にカメラを振る 流れを見せる |
| チルトショット | tilt shot | 縦方向に動かす 高さや緊張感を演出 |
| ダッチアングル | dutch angle | カメラを傾ける 不安定・サスペンス感を演出 |
カメラムーブメント(カメラの動き)
| 日本語名 | 英語プロンプト例 | 説明 |
| ドリーイン | dolly in, camera slowly moves forward | 被写体に近づく 緊張感や注目を演出 |
| ドリーアウト | dolly out, camera slowly pulls back | 被写体から引く 状況の全体像を見せる |
| トラッキング(横移動) | camera tracks alongside | 被写体と並走し 動きをダイナミックに描写 |
| クレーンショット | crane shot rising up | 地上から空へ上昇し、 スケール感を演出 |
| ステディカム | smooth steadicam movement | 揺れのない滑らかな移動映像 |
| ハンドヘルド | handheld camera, shaky cam | 手持ち風 リアルで臨場感のある映像に |
| 円形ドリー | circular dolly shot | 被写体を囲むように回転 印象的な演出に最適 |
カメラの回転・方向転換
| 日本語名 | 英語プロンプト例 | 説明 |
| パン(横振り) | pan left to right | 水平移動で空間を広く見せる |
| ティルト(縦振り) | tilt up from feet to face | 下から上に移動 人物の全体像を演出 |
| ロール | camera roll | カメラ自体を回転 混乱や浮遊感を表現 |
| ウィップパン | whip pan | 高速パンで場面転換 アクションに◎ |
ズーム・フォーカス変化
| 日本語名 | 英語プロンプト例 | 説明 |
| ズームイン | zoom in slowly | 被写体に近づく 感情や細部を強調 |
| ズームアウト | zoom out revealing surroundings | 背景を広く見せ 文脈を補足 |
| クラッシュズーム | crash zoom | 瞬間的なズームイン 衝撃や驚きを演出 |
| フォーカスプル | focus pull from background to foreground | ピントを前後に移動させる ドラマ性を追加 |
| ディープフォーカス | deep focus | 全ての距離にピント 奥行きのある構図 |
時間的変化を含むショット
| 日本語名 | 英語プロンプト例 | 説明 |
| タイムラプス | timelapse | 時間の経過を短縮して表現 |
| スローモーション | slow motion | 動きをゆっくり再生 印象を強調 |
| フリーズフレーム | freeze frame | 動きを途中で止める 強調・余韻 |
| リバース | reverse motion | 逆再生効果 非現実的で印象的 |
複合的な動き
| 日本語名 | 英語プロンプト例 | 説明 |
| ドリー+ズーム | dolly zoom, vertigo effect | 前進+ズームアウトでめまい効果 |
| アークショット | arc shot | 弧を描くように移動して撮影 |
| プッシュイン | push in to extreme close-up | 徐々に接近し感情を強調 |
| プルアウト | pull out revealing location | 引いて背景を見せる 余韻を残す |
シーケンス・連続性
| 日本語名 | 英語プロンプト例 | 説明 |
| ワンテイク | single take | カットなしの長回し リアルな緊張感 |
| マッチカット | match cut transition | 構図の類似で自然につなぐ |
| カットイン | cut in to detail | 細部を強調 挿入ショットに使う |
| カットアウェイ | cutaway shot | メイン以外の関連シーンを映す |
まとめ
AI画像生成や動画制作において、カメラショットの理解は“作品の印象を決める最重要要素”です。同じテーマでも、距離・角度・レンズ効果・動きを意識するだけで、まったく違う世界観を表現できます。
本記事で紹介したショット一覧は、Midjourney、Runway、Pika、Kaiber、D-ID など、
あらゆるAIツールでそのまま活用可能です。
- 「どんな感情を伝えたいか」
- 「どんな雰囲気を演出したいか」
- 「どんな視点で見せたいか」
この3つを意識してショットを選べば、“AIで作る映像表現”のクオリティは確実に上がります。
AIが進化する今こそ、「構図=ストーリーテリングの力」を磨いていきましょう。















こんにちは。LIBUROT(リブロット)です。