個人事業主としての一歩を踏み出した方、
また副業での収入が少しずつ増えてきた会社員の方にとって
「確定申告」は避けては通れない大切な手続きです。

「何から手をつければいいの?」
「書類の書き方が難しそう。」
「自分は申告する必要があるの?」
このように、確定申告について悩みをお持ちではないでしょうか。
確定申告は、1年間の所得を計算し、納めるべき税金の額を国に報告する手続きです。
面倒なイメージがあるかもしれませんが、正しく行えば、払い過ぎた税金が戻ってくる「還付」を受けられたり、青色申告のような制度を活用して大きな節税に繋げたりすることも可能です。
この記事では、確定申告が初めてという方でもスムーズに手続きを進められるよう、基本的な知識から必要書類の準備、具体的な申告方法まで、一つひとつ丁寧に解説していきます。
目次
年末調整と確定申告の違いについて
会社員とフリーランスでは、税金の申告方法が大きく異なることをご存じでしょうか。
「年末調整」と「確定申告」は、どちらも1年間の所得をもとに税金を計算する仕組みですが、対象となる人や手続きの内容には明確な違いがあります。これらの特徴を理解しておくことで、自分に合った正しい手続きを進められるようになります。
ここでは、年末調整と確定申告の違いについてわかりやすく解説します。
| 項目 | 年末調整 | 確定申告 |
| 対象者 | 会社員 | フリーランス、個人事業主、 副業収入がある会社員 |
| 手続きの主体 | 会社が代行 | 自分、税理士 |
| 目的 | 年間の給与所得税の過不足を調整 | 所得全体の税金を確定し 申告・納付 |
| 計算対象 | 給与所得 | すべての所得(事業所得、給与所得、副業収入など) |
| 提出書類 | 扶養控除申告書、保険料控除証明書、住宅ローン控除書類など | 収支内訳書や青色申告決算書、経費証明書、控除証明書など |
| 手続きの時期 | 毎年12月(年末) | 毎年2月16日~3月15日 |
| 手続きの負担 | 会社が行うため比較的簡単 | 自分で行うため手間がかかるが節税の余地が大きい |
| 主な対象控除 | 基礎控除、扶養控除、 保険料控除など | 青色申告控除、経費控除など |
| 義務の有無 | 原則、会社員は必須 | 該当者のみ必須(フリーランスや副業収入者など) |
年末調整とは?
「年末調整」とは、会社員など給与所得者を対象に、勤務先の会社が1年間に支払った給与と源泉徴収税額をもとに税金の過不足を精算する手続きです。
通常、毎月の給与からはあらかじめ所得税が天引き(源泉徴収)されています。
しかし、実際の年間所得や各種控除額と比べると、
天引きされた税額には過不足が生じることがあります。
- 対象者:会社員やパート・アルバイトなどの給与所得者
- 手続きをする人:勤務先の会社(本人は必要書類を提出するだけ)
- 内容:扶養控除や社会保険料控除、生命保険料控除などを反映し、税額を再計算
確定申告とは?
「確定申告」とは、1年間の所得や経費を自分でまとめ、税金を正しく計算して税務署に申告する手続きです。主にフリーランスや個人事業主、副業で一定額以上の収入がある会社員が対象になります。
給与所得者は勤務先が「年末調整」をしてくれますが、
フリーランスや副業収入がある人は自分で税金を計算し、申告を行う必要があります。
- 対象者:個人事業主、フリーランス、副業で年間20万円以上の所得がある会社員など
- 手続き時期:原則として毎年2月16日~3月15日(2025年は例年通りの予定)
- 申告内容:所得(売上)から必要経費を差し引き、控除や税額を計算
- 提出方法:税務署に直接提出、郵送、またはe-Tax(オンライン申告)で可能
確定申告の基本的な計算式
個人事業主が確定申告を行う際には、収入や経費、控除を基に所得税額を計算します。
課税所得金額の計算
課税所得金額 = 売上(収入) – 必要経費 – 所得控除額
所得税額の計算
所得税額 = 課税所得金額 × 税率 – 控除額
復興特別所得税の計算
復興特別所得税額 = 所得税額 × 2.1%
最終的な納付額の計算
納付税額 = 所得税額 + 復興特別所得税額 – 源泉徴収額
計算の具体例
- 売上(収入):500万円
- 必要経費:200万円
- 所得控除額(基礎控除など):48万円
課税所得金額の計算:
(収入)500万円 – (必要経費)200万円 – (所得控除額)48万円 = 252万円
所得税額の計算(税率10%、控除額97,500円)
所得税額 = 252万円 × 10% – 97,500円 = 154,500円
復興特別所得税額の計算
復興特別所得税額 = 154,500円 × 2.1% = 3,245円
最終的な納付税額の計算(源泉徴収額が0円の場合)
納付税額 = 154,500円 + 3,245円 = 157,745円
確定申告で申告する収入
1年間に得たすべての収入を正確に報告する必要があります。
確定申告で報告すべき主な収入の種類について詳しく説明します。
| 収入の種類 | 内容 |
| 事業所得 | 事業活動から得られる収入 受け取る報酬など |
| 不動産所得 | 土地や建物の賃貸による収入 所有するアパートの家賃収入など |
| 配当所得 | 株式や投資信託からの配当金や分配金 保有する株式から受け取る配当金など |
| 利子所得 | 預貯金や公社債の利子収入 銀行預金の利息など |
| 譲渡所得 | 資産の売却による所得 土地や建物、株式などを売却して得た利益 |
| 一時所得 | 一時的に得られる所得 生命保険の満期金など |
| 雑所得 | 上記のいずれにも該当しない所得 副業による収入や年金などが該当します。 |
確定申告で申告できる経費
経費を適切に計上することで、課税所得を減らし、税負担を軽減することができます。
| 経費の種類 | 内容 |
| 消耗品費 | 文房具やプリンター用紙など、 業務で使用する消耗品の購入費用 |
| 通信費 | 業務用の電話代やインターネット料金 |
| 交通費 | 業務上の移動にかかる電車やバス運賃、タクシー代 |
| 接待交際費 | 取引先との会食や贈答品の費用 |
| 地代家賃 | 事務所や店舗の賃借料 |
| 水道光熱費 | 事業用の電気・ガス・水道料金 |
| 広告宣伝費 | 広告掲載や宣伝活動にかかる費用 |
| 研修費 | 業務に関連するセミナーや研修の参加費用 |
| 旅費交通費 | 業務上の出張にかかる宿泊費や交通費 |
| 租税公課 | 事業に関連する税金や公的な負担金 |
確定申告で申告できる所得控除
確定申告では、所得から差し引ける「所得控除」を適用することで、税負担を軽減できます。
| 所得控除の種類 | 内容 |
| 基礎控除 | すべての納税者が受けられる控除 で、所得金額に応じて控除額※1 が決まる |
| 青色申告特別控除 | 青色申告を行うことで、 最大65万円の控除が受けられる |
| 社会保険料控除 | 国民年金や国民健康保険など、 自身で支払った社会保険料が対象 |
| 生命保険料控除 | 生命保険や介護医療保険、 個人年金保険の保険料が控除対象 |
| 地震保険料控除 | 地震保険の保険料が控除の対象 |
| 小規模企業共済等掛金控除 | 小規模企業共済や確定拠出年金 (個人型)の掛金が控除できる |
| 扶養控除 | 生計を一にする親族を扶養している場合に適用 |
| 配偶者控除・配偶者特別控除 | 配偶者の所得が一定以下の場合に適用 |
| 医療費控除 | 年間の医療費が一定額を超えた場合に適用 |
| 寄附金控除 | ふるさと納税など、特定の団体への寄附金が対象 |
- 合計所得金額が2,400万円以下の場合|控除額は48万円
- 合計所得金額が2,400万円を超え、2,450万円以下の場合|控除額は32万円
- 合計所得金額が2,450万円を超え、2,500万円以下の場合|控除額は16万円
- 合計所得金額が2,500万円を超える場合:控除は適用されません
確定申告で適用する所得税の税率
個人事業主が確定申告で適用する所得税の税率は、課税所得金額に応じて定められています。
| 課税所得金額(円) | 税率(%) | 控除額(円) |
| 1,000円 ~ 1,949,000円 | 5% | 0円 |
| 1,950,000円 ~ 3,299,000円 | 10% | 97,500円 |
| 3,300,000円 ~ 6,949,000円 | 20% | 427,500円 |
| 6,950,000円 ~ 8,999,000円 | 23% | 636,000円 |
| 9,000,000円 ~ 17,999,000円 | 33% | 1,536,000円 |
| 18,000,000円 ~ 39,999,000円 | 40% | 2,796,000円 |
| 40,000,000円 以上 | 45% | 4,796,000円 |
副業の所得が20万円以下なら申告は不要?
副業をしている会社員の方で、「副業の所得が20万円以下の場合、確定申告をしなくても良い」というルールを聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
確定申告が不要になる条件として「副業の所得が20万円以下であること」があります。
ここで重要なのは、所得とは収入から必要経費を差し引いた金額を指す点です。
例えば
- 副業収入:50万円
- 必要経費:35万円
→ 所得:50万円 – 35万円 = 15万円
この場合、所得が20万円以下のため、確定申告は不要です。
まとめ
確定申告は「難しそう」と感じる方も多いですが、基本の流れを理解しておけばスムーズに進められます。会社員は勤務先が年末調整を行う一方、個人事業主や副業収入がある方は自分で税金を計算し、申告する必要があります。
収入や経費を正しく記録し、控除を活用すれば、節税につながるだけでなく払い過ぎた税金が戻るケースもあります。この記事を参考に、早めに準備を進めて安心して確定申告を乗り切りましょう。






















こんにちは。DX推進くん【AI活用 / 業務効率化】です。